船級認証
概要
船舶に使用される製品や材料はその種類や用途に応じて船級協会の検査・承認を受ける必要がある。
弊社提供サービス
船級認証の取得をトータルにサポートいたします。
弊社では多数の船級認証取得を支援しており、豊富な経験がございます。
船級協会毎に微妙に異なる申請方式や申請資料、製品試験要求の違いに適切に対応いたします。
弊社サポートにより問題発生のリスクを最小化でき、最短期間での認証取得が可能になります。
制御監視機器・システム、電装品、材料、船体艤装品、機関、防火・消化設備、救命具、防爆型機器など様々な製品、MED指令にも対応いたします。
制度
船舶が安全に航行できることの証明として、船級の取得が必要である。海上保険加入のための条件にもなっている。
船級取得のためには船体、機関、電気設備、材料、艤装品、溶接品、安全設備、消化設備、無線設備、自動化設備、船橋設備など様々な物が検査対象となり、それぞれが検査を受けて承認される必要がある。
船級の検査及び承認を行うのが船級協会である。主要な船級協会を以下に示す。基本的には1国につき1協会となっている。
名称 | 略号 | 本部 | 設立年 | IACS加盟 |
---|---|---|---|---|
ロイド船級協会(Lloyd’s Register of Shipping) | LR | 英国(ロンドン) | 1760 | ○ |
ビューロー・べリタス(Bureau Veritas) | BV | フランス(パリ) | 1828 | ○ |
イタリア船級協会 (Registro Italiano Navale) | RINA | イタリア(ジェノヴァ) | 1861 | ○ |
アメリカ船級協会(American Bureau of Shipping) | ABS | アメリカ(ヒューストン) | 1862 | ○ |
DNV GL船級協会 (DNV GL AS) | DNV GL |
ノルウェー(オスロ) | 1864 | ○ |
日本海事協会(Nippon Kaiji Kyokai) | NK | 日本(東京) | 1899 | ○ |
ロシア船級協会 (Russian Maritime Register of Shipping) | RS | ロシア(サンクトペテルベルク) | 1913 | ○ |
ギリシャ船級協会 (Hellenic Register of Shipping) | HR | ギリシャ(ピレウス) | 1919 | - |
ポーランド船級協会 (Polish Register of Shipping) | PRS | ポーランド(グダニスク) | 1936 | - |
クロアチア船級協会 (Croatian Register of Shipping) | CRS | クロアチア(スプリト) | 1949 | - |
中国船級協会(China Classification Society) (※正式名称は中国船級社) |
CCS | 中国 (北京) | 1956 | ○ |
韓国船級協会 (Korean Register of Shipping) | KR | 韓国(大田) | 1960 | ○ |
インドネシア船級協会 (Biro Klasifikasi Indonesia) | BKI | インドネシア(ジャカルタ) | 1964 | - |
インド船級協会 (Indian Register of Shipping) | IRS | インド (ムンバイ) | 1975 | ○ |
イラン船級協会 (Iranian Classification Society) | ICS | イラン (テヘラン) | 2007 | - |
申請手続き
申請の流れ | 申請 ↓ 書類審査 ↓ 製品試験/検査 ↓ 工場検査(※) ↓ 認証書発行 ※製品試験/検査と工場検査が同時に行われる場合がある。 ※工場検査を実施しない船級協会もある。 |
所要期間 | 製品の種類や申請先や混み具合によっても異なる。 一般的に電気電子機器の場合は必要な試験項目が多いため、目安として、新規申請の場合は申請がスムーズに進んだ場合でも申請開始から申請完了まで最低4~6ヶ月間かかる。不足資料や製品試験の問題対応などが発生する場合は1年以上かかることもある。 |
申請資料 |
一般的に電気電子機器の申請に必要になる資料は以下である。
|
製品試験 |
|
試験規格 | 申請先の各国船級協会の規則に基づく。 |
工場検査 | 工場検査の有無は船級協会により異なる。 初回検査と定期的検査が必要な船級協会もある。 |
特記事項
- 船級協会側では製品試験を行わず、申請者が計画して実施しなければいけないことが特徴的である。試験項目や試験条件の設定、サンプルの選定、試験所の手配など製品試験に関することは全て申請者が実施する必要があり、申請担当者にとって大きな負担となる。
- 複数の船級協会へ同時に申請する場合や、他船級による認証を取得済みの製品の場合、船級協会によって申請内容や製品試験に対する判断が異なる場合があり、申請先に応じた対応が必要となる。
- 試験方案やテストレポートといった製品試験に関する資料を申請者が準備する必要があり、資料の質が申請を円滑に進められるか否かを左右する大きな要素となる。
用語集
用語 | 解説 |
---|---|
船級 | 簡単に言うと船舶の安全性の格付けの制度のこと。特定の基準に基づき安全性が確認された船に船級が与えられる。国際的に航行する船に保険をかけるためには船級の取得が必要になる。船舶そのもの及び使用される材料や製品は船級協会の検査及び承認を受ける必要がある。 |
船級協会 | 船舶及び船舶に使用される機器や材料の検査及び承認を行う認証機関のこと。船級協会を略して”船級”と呼称されることもある。 |
IACS |
IACSとは、国際船級協会連合(IACS: International Association of Classification Societies)のことです。1968年に7船級協会(ABS、BV、DNV、GL、LR、NK、RINA)で創設され、現在、12の船級協会が加盟している。IACSでは次に挙げるような技術決議の制定及び改廃を継続的に行っている。
URは分野毎にA~Zに分類分けされており、例えば電気関係はEとなり、電気機器で必要な環境試験の要求はE10である。各国船級協会はこのE10の要求を自身の規則に基本的に取り入れている。 |
船級規則 | 船級協会ごとに規定される、船舶自身、材料、及び船内で使用される機器の等が満たすべき要件が定められたRule、Standard、あるいはGuideline等のこと。船級規格と呼ばれることもある。 国際船級連合IACSに加盟している各国船級協会の規則では基本的に国際船級連合IACSの統一要求事項(Unified Requirement)を含めることが求められている。各国船級協会の規則では船級協会毎に個別の要求事項が加えられていることもある。 |
型式承認 (Type Approval) | 型式を対象にして受ける承認。ある型式で承認を受けると、同一型式の製品は型式承認済み製品として扱われる。 |
個体承認 (Unit Certification) | 個体を対象にして受ける承認。個体毎に船級協会の立会い検査を受けて承認されれば証明書が発給される。 重要用途の製品では型式承認と個体承認の両方が必要になる。 |
試験方案 | 試験方案とは、製品試験をどのように行うかを船級協会に対して示す資料。船級協会の要求を満足することが明確にわかるように記述する必要がある。試験方案に定型の様式は存在せず、書き方は申請者次第となる。 |
IMO | 国際海事機関 International Maritime Organization (IMO) |
SOLAS条約 (ソーラス条約) |
IMOで採択された海上における人命の安全のための国際条約。 旅客船タイタニック号の沈没事故が契機となり、船舶の安全に対する機運が高まり、制定された。 |
MARPOL条約 (マルポール条約) |
IMOで採択された船舶の運航による海洋汚染防止のための海洋汚染防止条約。 |
バラスト水管理条約 | IMOで採択された船舶のバラスト水および沈殿物の規制および管理のための国際条約。バラスト水条約、バラスト水規制条約とも略称され、英文ではBWMと略されることもある。 |
シップリサイクル条約 | IMOで採択された2009年の船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約。 |
関連情報
ロイド船級協会 | https://www.lr.org/en/ |
ビューロー・べリタス | https://group.bureauveritas.com/ |
イタリア船級協会 | https://www.rina.org/en/ |
アメリカ船級協会 | https://ww2.eagle.org/en.html |
DNV GL船級協会 | https://www.dnvgl.com/ |
日本海事協会 | https://www.classnk.or.jp/hp/ja/ |
ロシア船級協会 | https://rs-class.org/en/ |
中国船級協会 (中国船級社) |
https://www.ccs.org.cn/ccswz/ |
韓国船級協会 | https://www.krs.co.kr/eng/main/main.aspx |